私は現在音楽療法士としてお仕事をさせていただいています。
一つは障がい児デイサービスでの音楽教室です。10名から15名の小学低学年から高校生までの男女児童を対象に、1ヶ月に2回の集団セッションをさせていただいています。毎回45分のプログラムを組んでいきますが、参加するメンバーは毎回違うので、計画的な療法というより音楽を通して子ども達がコミニュケーションしたり、言葉や動きの経験を増やしていくという目的でされています。発達段階も様々ですので、どこに焦点を合わせてプログラムを組むかは毎回頭を悩ます課題です。全員が同じように理解し、満足できるようにするのは難しいのですが、できるだけ1回の活動の中で個々が楽しんで活躍できるよう心がけるようにしています。
こちらの施設には1年半ほど行かせていただいていますが、はじまりの歌や終わりの歌は毎回同じなので、参加している子ども達も見通しを持てるようになっています。毎回1人1人自分の名前を答える歌「あなたのお名前は」の活動では、普段発語の少ないお子さんが突然名前を言えたり、自閉症のお子さんが友達の名前を読んだりと、感激する場面によく出会います。
最初は警戒して別室にこもっていたお子さんが今ではすっかり毎回参加して盛り上げ役になってくれたり、人と関わるのが苦手なお子さんが音楽に乗って自分から関わろうとする姿を見ると、音楽の持つ力と子どもの持つ可能性は無限だなと、いつも思います。
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